産後の子宮脱・子宮下垂とは?治すための3つのステップがわかる!

妊娠出産

ここでは理学療法士歴13年の私が、産後の子宮脱・子宮下垂を治すためのポイントを解説します。

自分自身出産経験があり、産後の身体のダメージは相当なものと身をもって経験しました。

そして育児に追われながらも自分の身体のダメージに悩まされる日々…

子宮脱・子宮下垂があると常に違和感を感じたりして不快ですよね。

これは治るのだろうか…ずっとこの状態なのかな…と不安ですよね。

これを読めば子宮脱・子宮下垂の悩みが解決し、さらに治すためにやるべき3つのステップがわかります。

目次

子宮脱・子宮下垂とは?

子宮脱とは以下のように定義されています。

子宮脱:骨盤臓器脱の一形態で、子宮が陰門外へと脱出した状態。

子宮下垂:体外へ脱出していないが、膣内で子宮の位置が下降してきているもの

Wikipediaより引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%90%E5%AE%AE%E8%84%B1

自覚症状としては

・膣からピンポン玉くらいのものが出てきている、挟まっている

・排尿困難や頻尿

・おりものの増加や出血

・下腹部痛

・夕方になると違和感が強くなる

などがあり、どれも辛い症状で生活の質(QOL)を大きく低下させます。

原因は?

最大の原因は妊娠・出産です。

これには【骨盤底筋】という筋肉が大きく影響しています。

骨盤底筋は骨盤の底に位置し、膀胱や子宮、直腸などの臓器をハンモックのように下から支えている筋肉です。

ひとつの筋肉ではなく、小さなたくさんの筋肉が集まっているので、骨盤底筋群(PFM:Pelvis floor muscles)と総称されています。

妊娠すると胎児の成長に伴い子宮の重量・容積が増大し、骨盤底へのストレスが増大し、骨盤底筋群は引き伸ばされ弱化します。

さらに経膣分娩であれば、赤ちゃんが産道を通る時に骨盤底筋群がさらに引き伸ばされます。

骨盤底筋群のダメージが産後そのままになっていると、骨盤内にある臓器を下から支えることができなくなり、便秘や臓器脱といった泌尿器系のトラブルが起きたりします。

また、くしゃみや咳をして腹圧が上昇した時に尿漏れを引き起こすこともあります。

子宮脱・子宮下垂は治せます

前述した骨盤底筋群のダメージ、産後の経過とともに勝手に回復するものではありません。

でも骨盤底筋群は筋肉ですから。

きちんとトレーニングをすれば筋肉は力がつくのです。

つまりこの骨盤底筋群の働きを取り戻すことが、子宮脱・子宮下垂を治すことになります。

子宮脱・子宮下垂を治すための3つのステップ

ステップ1】

まずは正しく骨盤底筋群を収縮させましょう

弱っている筋肉は収縮の方法も忘れてしまっており、違うところに力を入れているだけだと、継続していても効果が出ないことになってしまいます。

膣を締めるようにしますが、その時自分の身体の中に引き上げるイメージで行いましょう。

お尻や内腿に力が強く入らないように、身体はリラックスして行います。

姿勢は、仰向けに寝て膝を軽く立てた状態で行いましょう。

5秒間締めて、5秒間緩める、を繰り返します。

正しく行えていれば、10回ほど行うとだいぶ疲れてくると思います。

ステップ2】

収縮の感覚を掴めたら、次は生活していく上でその筋肉の力を「使える」ようにしていくことが症状改善につながっていくポイントです。

人は呼吸を常にしているわけですから、呼吸をしている状態で骨盤底筋の収縮が行えていれば「使える」筋肉となります。

ステップ1で行ったように膣を締めた状態で呼吸を繰り返してみましょう。

息を吐いた時は締めた状態を保ちやすいですが、息を吸う時は少し難しいと感じるかもしれません。

呼吸を繰り返していても力が一定に入るようにしていきましょう。

ステップ3】

呼吸と一緒に行うことができるようになれば、最後は動作をするなかで一緒に行うことができるようにしていきます。

膣を締めた状態で、軽くスクワット(膝の曲げ伸ばし)を繰り返してみましょう。

ここでは足の力を鍛えるのではなく、骨盤底筋のトレーニングですから、スクワットはなんちゃってくらいの軽いもので大丈夫です。

動作をしても、骨盤底筋に一定に力が入るようにすることがポイントになります。

継続が大切

ポイントをきちんと理解してトレーニングすれば、子宮脱・子宮下垂は治せます。

しかし効果の実感には時間がかかるという報告があります。

トレーニングは少なくとも3ヶ月ほどは続けることで症状の改善につながっていくので、すぐに諦めずに、継続してきましょう。

妊娠中から骨盤底筋トレーニングを行うことで予防もできますが、妊娠中のお腹が大きい状態だと正しく行えているか分かりにくいこともあるため、出産後から頑張って取り組んでいきましょう。

産後ママの悩みが少しでも解決できますように。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

理学療法士歴13年。2人の年子男児(5歳、4歳)の育児をしているワーママ。本業で総合病院勤務をしている傍ら、wedライターとして日々発信中。

コメント

コメントする

目次